こんにちは。映画「プーと大人になった僕」を見てきたので感想を述べたいと思います。
見終わった後に思ったことを簡単に言えば「Not for me」だったのかなって感じです。
思えば私は別にプーさんに思い入れがないのです。小さい頃に見たのかもしれませんが記憶にありません。
なんか黄色いくまが蜂蜜食べるんだよね?くらいの認識です。
これは小さい頃にプーさんを友としたことがある人のための映画なんだろうなって思いました。
私が作中で強く思っていたのは「プーさんを洗いたい!頼む!洗わしてくれ!!」ってことです。
以下ネタバレをしつつ、感じたこと思ったこと感想ちょこっと考察?を述べていきます。
あ、映像はとても綺麗でした。丸っこい車とかロンドンの風景が好きです。素敵でした。
ネタバレもしますので、以下ネタバレが嫌な方はお帰りください。
また、プーと大人になった僕を見て感動して泣きっぱなしだったって人もできればお帰りください。つっこみますので不快になると思います。
どうして「プーと大人になった僕」を見たのか
小さい頃にくまのプーさんが大好きだったわけではない私がどうして「プーと大人になった僕」を見たのか。
そこら辺をちょっと書いておきたいと思います。
金足農業高校が甲子園で活躍したせい
多分これ、金足農業高校が甲子園で準優勝したせいです。
は?って思うかもしれませんが、多分そのせいなんですよね。
予告編を見ていた時から、動くぬいぐるみを見ていると思い出すものがありました。
「笑うミカエル」という漫画です。
この中に出てきてたんですよね。動く熊のぬいぐるみが。
「プーと大人になった僕」の予告はとても笑うミカエルにでてくるルドルフ・シュミットというくまのぬいぐるみとラインハルト・フォン・ベルンシュタイン(おハルさん)の物語を思い出せるものだったのです。
「笑うミカエル」の作者が川原泉といいまして、この漫画家さんは「甲子園の空に笑え!」という漫画も描いています。
この「甲子園の空に笑え!」という漫画がもうほんと金足農業高校の活躍を漫画にしたような漫画だったのです。
そんなこんなで金足農の活躍を見ていたら川原泉の世界に触りたい欲が湧いて出てきて、じゃあなんか同じ匂いを感じるプーさんを見てみようかって気になりました。
ツイッターでの評判がよかった
そして「プーと大人になった僕」が公開されてからのツイッターの評判がかなりよかったのも見てみようかと思った原因です。
「開始5分で泣いて泣きっぱなし」
という意見が多くて、そんな泣けるの?ってびっくりしました。
『プーと大人になった僕』観た。大傑作!今年一番映画で泣いて、子供の頃を忘れて疲れ切った社畜が観たら駄目な映画だった。冒頭からEDまで全力でプーさんが僕たちをプーにさせようしてくるディズニーによる「プー製造映画」だったし僕も本当に何にもしない事をやっていきたい#プーと大人になった僕 pic.twitter.com/AmCEcGRgpI
— 社畜のよーだ (@katou443) 2018年9月14日
そんなこんなでツイッターでの感想を見ているうちに見てみたい気持ちがもりもりしたのです。
開始5分で「あっ、これ合わない」汚いのだめ
映画「プーと大人になった僕」を見た感想です。
残念ながら私は開始5分で泣くことはできませんでした。
それどころか開始5分で「あっ、これちょっと駄目なやつだ」って思いました。
だって、食べ方が汚かったのです。
どうして!どうしてあんなに美味しそうなケーキを、しかもどうやったのかさっぱりわからないくらい綺麗にクリストファー・ロビンが切り分けてくれたのに!
それなのにどうしてあんな食べ方するのー!!
漫画的というかアニメ的表現なのだとは思うのですが実写でされるとなんか駄目でした。
ちゃんと食べて!って思ってしまったわけです。
それはまあ、くまのプーさんの蜂蜜にも言えることでして、あんなぬいぐるみの手ではちみつ食べたらベトベトで汚いなぁって感情が先に出てきてしまって感動的なシーンにも影響してしまうわけです。
この汚いな問題はとてもあとを引きます。見ていてどうしても気になってしまったのです。
頼むからプーさんを洗って!なんなら洗わせて!
見てる間ずっと、プーさんを洗いたくて仕方なかったのです。
特に、プーさんがロンドンに現れてクリストファー・ロビンの家に来たあたりがかなりこう見ていてつらかった。
やめてー蜂蜜ぐちゃぐちゃしないでーそのまま歩かないでー!
頼む!てかクリストファー・ロビンもプーさんが歩いた後を拭いてる場合じゃない!それより原因をなんとかしろ!
「君の家の床は歩きにくいなぁ」とか言われている場合じゃない。まず洗おう!プーさんを洗ってくれ!
ってずっと思っていました。
いや、あの汚れはプーさんを大事に抱きしめて遊んでいたら経年変化でああなった風なのはよくわかるのです。
私にもお気に入りのくったくたのぬいぐるみがいましたのでわかります。
でもあの汚れと物理的な蜂蜜汚れは別だよ!洗いたい!
誰が掃除(片付け)するんだよ!問題
そういえばプーさんが来る前から蜂蜜の瓶は割れてこぼれていたのでした。
あの蜂蜜ちゃんと掃除したの?きっと適当にやったんだろうなぁ。
奥さんが帰ってきたら蟻だらけになってそうです。
あれ?クリストファー・ロビンの家って蜂蜜を大量にストックしてます?
蜂蜜割れたはずなのに、すぐにプーさんに新しい蜂蜜渡してましたよね。
子どものマデリン?が蜂蜜好きなのかな?
まあ、それは置いておいても、プーさんが来た翌日?にはしご?と間違えて棚をがらがらガッシャンするシーンも私にはつらかったです。
ほんとあれ誰が片付けるの!?クリストファー・ロビンやりそうにないし奥さん?
奥さんのイヴリン?でしたっけ?彼女の立場ならブチ切れる自信があります。
ベッドに入れる前に洗おう?
そういえば、プーさんを寝かした部屋というかベッドは子どものマデリンのじゃないかと思うのですが、頼む、ベッドにその蜂蜜でベトベトなプーさんを入れる前に洗おうよ。
頼むよ。絶対寝具が汚れるから洗おう。頼む!
そんな思いで見てました。
汚いなっていう意味では、クリストファー・ロビンも汚かったですね。
コート着た状態で全身濡れたら脱ごうよ
クリストファー・ロビンが落とし穴?にはまって水攻めになる場面も私は
「泥水だよね?汚いなーとりあえず全裸になろうか、絞ろうか?」
って思ってました。
だってコートも込みで全身泥水浸しですよ?
脱げ!そこで裸体をさらせ!って思いませんか?
プーはなぜロンドンに現れたのか?
見ていて一番謎に思ったのがどうして森のクリストファー・ロビンの家というか穴?がロンドンに繋がったかということです。
どうしてあの時だけあの穴はロンドンに繋がったのでしょうか?
最初はあの穴はクリストファー・ロビンの近くの時空が繋がるのかと思いました。
でも違いますよね?
その後、クリストファー・ロビンに書類を届けようと森の仲間が通った時に繋がったのはいつもの別荘の近くの木の洞です。
クリストファー・ロビンの近くに時空がつながるのなら書類運びは簡単なのですが、そうはいってないです。だから娘のマデリンと出会って大冒険することになります。
基本的にあの木の洞につながらないとおかしいのです。
なのにプーはロンドンにワープして大人になったクリストファー・ロビンに出会う。
あれこそが、この作品の中の一番の奇跡なのでしょう。
何も変わってない
大人になった僕にプーが掛ける言葉。
君はクリストファー・ロビンだ。なんにも変わってない。
細かいセリフは覚えていませんが、大人になって何もかも変わったはずのクリストファー・ロビンをひと目で認識していたプー。
絶対的な絆を感じる場面でした。
あんな風に肯定されるのはいいですね。
つっこませて!
ところどころ心にキュンとくる場面はありました。
あの少年の時の別れの場所で同じように寄り添っていた場面とか好きです。
娘も可愛かったし奥さんも美人で、最後に本当に大切なものに気づくってのもいい場面です。
でもツッコミどころがひっかかって浸れなかったわけです。
寝る時の方が着てるのかい!?
くまのプーさんの原作をこれっぽちも覚えていないので原作準拠かもしれないのですが、プーさんって寝てる時の方が服を着ているんですか?
寝ている時はシャツを着ていたのに、起きたら脱いであのアカシャツ?チョッキ?一枚になってました。
どちらにしても下は履いてないっぽいのですが、シャツを着ていた寝る時の方が文化的です。
100エーカーの森は夜は冷えるのでしょうか?
カバンを確認してよ!
いや、確認したら物語の進行上問題があるのはわかっているのですが、あの経費削減の書類完成してましたっけ?
汽車の中とかで必死に書いてましたけど、完成してたような記憶がなくてですね。
しかも、カバンごと水没ですよ?
いくら乾かしておいたって言われても大事な書類であればまっさきに確認しますよね?
その場でしなくても汽車に乗ってまた帰ったわけで、その汽車のなかで確認しないってありえます?
ファンタジーだ!って思ってました。
だって水没です。紙がよれよれになるしインクもにじみます。全部揃っているかどうかって問題もあります。
ついでにそれを重役に見せて説明するつもりなんですよね?
大事なところだけでもポイントを抜き出して複製するとかも必要じゃないですか?
プロジェクターがあるから1枚あればいいの?
計算機もなくすごいな
クリストファー・ロビンが書類を元に経費削減している時に、ここを削れば3%!みたいにブツブツ言っていたような気がするのですが、計算機とかなしでしたよね。
すごいな頭いいなーって思ってみていました。
プーさんに引っ掻き回されながらもあの短時間で書類をある程度完成できるなら別荘にいっしょに行けばよかったのに。
会社出勤しないと書類の持ち出し禁止とかで仕事ができないなら仕方ないのですが、書類持ち出し放題みたいなので別にマデリンと遊ぶ時間も少しくらいあったんじゃないかなって思ってしまいました。
バカ息子はゴルフから直帰なの?
あの社長の息子?の人はクリストファー・ロビンに休日も働け!って言ったけど自分は遊びふらけていたらしいですね。
それを表すために会社のエレベーターにゴルフバッグと共に乗り込んでくるわけですがあの人会社に住んでいるのです?
住んでいるにしてもゴルフから帰ってきたのは昨日なのでは?今日会議ギリギリまでゴルフしてたの?
ポケットからゴルフボールが出てきたような気がするけど、あんなところにゴルフボール入れます?
ゴルフするのにスーツなの?
色々疑問がわきました。わかりやすい記号として使っているのだと思いますが、なんか違うなーって思いました。
なんで待っていてくれたのか疑問
あの会議、クリストファー・ロビンの突然の退出から戻ってくるまでかなりの時間がかかったのではないかと思います。
5分や10分じゃないですよね?
あの退出の仕方で10分以上待ってくれる社長や重役ってすごくないです?
いくらクリストファー・ロビンのカバンの中身品評会をやっていても10分も場がもちませんし、みんな忙しい人達じゃないですかね。
5分待ってくれるかもあやしいと思うのですが、じっと待っていてくれてすごいなーって思いました。
隣の人は約束したのにかわいそう
クリストファー・ロビンのお隣の人、明日ゲーム?か何かをする約束をしたのに破られましたよね。
かわいそうだなって思いました。
あれだけご近所さんと仲良くなりたがっているんだからちょっとはかまってやってよ!
猫も大好きなんだからプーさんともきっと仲良くなれるよ。
顎が気になる
クリストファー・ロビンのあごがちょっと割れているのがちょいちょい気になりました。
なんだか新右衛門さんも思い出すんですよね。
ほらティガーもいることだし屏風からぴょんぴょん跳ねて出てきたらよくないですか?
プーと裸の大将
ずっとね。見ている間くまのプーさんが何かに似ているけどなんだろうって思いながら見ていました。
「なにもしないことをする」
「プーのおばかさん」
考えることは苦手だけど大切なことを知っているプーさん。
なんだろう。ずっと何かを思い出す。そう思いながら見ていました。
最初はズートピアにこんな感じのキャラがいたかなぁとか思っていたのですが、お風呂に入りながら考えていたら思い出しました。
裸の大将です。
山下清です。おにぎりが大好きで、旅をしつつなんかゴタゴタしているところに顔を出してなんとなく大団円に持っていくあの感じ。
私もちゃんとドラマを見ていた世代ではないのですが、あの雰囲気だなって思いました。
プーと大人になった僕 プーさんと友達ならよかった
映画「プーと大人になった僕」を見終わって思ったことは、
小さい頃にちゃんとプーさんとお友達になっておけばよかった。その状態でこの映画を見たかったなという思いです。
残念ながら私はくまのプーさんに思い入れがまったくありません。
なのでこれは「私のための物語ではなかった」と感じました。つっこみどころの方が気になってしまったのです。それがとても残念でした。
もしも、私が小さい頃にプーさんを友としていたら、あの100エーカーの森で過ごしていたのなら、きっとこの映画は心に刺さるものになっただろうと思うのです。
だれにでも心に忘れられない物語があり、小さい頃に一緒に遊んだ物語の中の友達がいるはずです。
そういえば、見ている間に思い出した物語があります。
「天井うらのふしぎな友だち」です。
小さい頃にいっしょに遊んだ友だちのお話です。このお話の最後の方に出て来る校長先生だったかな、無理矢理に友だちを忘れることにした少年の成れの果ての人にクリストファー・ロビンが重なって見えました。「プーと大人になった僕」が刺さった人にぜひ読んでみて欲しい物語です。
あのころのままの友だちにとってどれだけ変わろうとも「君はちっとも変わってない。君はいつでも君」なのでしょう。