こんにちは。映画「引っ越し大名!」を見てきたので感想を残しておきます。
めっちゃ面白かったです。いやもう2019年に見た映画の中で一番面白かったような気がします。ちょこちょこひっかかる点はあるのですが、思いっきり笑って、思わず泣かされて見終わった後すっきり気持ちよくなった映画です。
こういう映画好きです。なんていうかこれぞエンタメ!でした。見終わった後、語りたくなる映画です。とても良かった!
以下、自分の覚書なので順不同でつっこみまくります。
ネタバレありありなのでまだ見てない人は気をつけて下さい。
映画「引っ越し大名!」の感想。見てよかった!
映画「引っ越し大名!」を見てきました。
いやー正直ほとんど期待せずに見に行ったんです。
なんか及川光博がお殿様役で出ていて、高橋一生がバーサーカーだっていう噂くらいは聞いていました。
ツイッターのタイムラインでの評判は悪くない。良い感じだけどそこまで話題にはなってないなーって感じです。
見終わった後の感想は、
めっちゃ面白かった!見に来てよかった!こんな面白いって聞いてないよ!!!もっとみんなおすすめしてよ!!
って思いました。
めっちゃ面白かったんです。
ところどころ「おいおいおい!」ってところはあるんですが、まあそこを流せば話がスピーディでダレることなくトントントンと気持ちよく進んでいきます。
めっちゃ笑えて基本コメディなんです。そして、ここぞというところで高橋一生が暴れまわりすっきりです。
なのに、最後泣かせにくるんですよ。泣かされましたよ!!!
あーもう面白かった。高橋一生のバーサーカー最高!
ちょっと語りたいので語らせてください。
しょっぱなの殿の汗を拭きたい
もうね、最初っから飛ばしてきます。
ミッチーお殿様が幼いころの国替えの夢を見てうなされるわけです。
汗びっちょりなのをお小姓が拭いてあげるんですよね。
そしてなんかとてもムーディになります。
「愛いやつ」ってなります。
ミッチーの色気がすごいです。もうね、汗に濡れたその首すじを拭いてあげたい気持ちになるわけです。魔性の殿です。
と、そこに江戸詰の人が駆け込んできて邪魔してお国替えになったことを伝えるわけですね。
そのお国替えの理由もまあなんていうか男色です。
向井理の無駄使い。印象は強すぎ!
まあその国替えの理由が、ミッチーが向井理に迫られたのを邪険にしたから、なんですよね。
この向井理が私には真剣に向井理だと認識できなかったです。
後からも述べますが時代劇のちょんまげってかなり人の判別をしにくくするアイテムなんですよ。
ただ、この向井理、出番は少ないのですが凄いインパクトです。
すっごいスピーディーにミッチーに迫って振られます。
正直、もうちょっとムーディーに迫っていれば、ミッチーもやぶさかではない感じだったのでイケた気がするのにもったいない。
ミッチーの家臣も「一晩くらい……」ってナチュラルにおすすめしてましたしね。
「それは駄目!」ってなってたお小姓の嫉妬が可愛かったですね。
かたつむりと勉強家の武士
主人公の春之介は本の虫で書庫にこもりっきりなので「かたつむり」とかアダ名になってるくらいです。
書庫番が天職って感じで幸せそうでいいですね。
書庫に足繁く通ってくれてる勉強家の武士となんか仲良しで良い感じです。
なんだか「あの本はあるか?」って聞かれていそいそと用意しつつ、その本の説とは違う説が載っている本をそっと添えて出したりしています。
そうだね、クロスチェック大事だよね。
幼馴染良いなー
そのかたつむりな本の虫で引きこもりな星野源と、チャラ男で脳筋な高橋一生が幼馴染なんですよ。
幼馴染でお互いがお互いの良いところをすごいなって思っている関係、いいですよね。
星野源がまともに喋れる相手が高橋一生だけっていうところがなんかこう心くすぐられるんですけど、冷静になって考えてみれば勉強家の武士と普通にしゃべってませんでしたっけ?
まあいいや、嫌がる星野源を高橋一生が俵担ぎするの萌えました。
対象的な幼馴染いいよね!
お国のお引っ越し奉行に推薦するのはどうなのか?
まあ、この高橋一生がお国のお引っ越し担当に指名されそうになって、
「えっ!?俺って脳筋っすよ?無理じゃ?あっ!!あいつなら細かいこと得意そう!」
って星野源の名前を出しちゃったせいで、星野源の引きこもり生活が終わってしまうわけです。
ここはちょっとおいおいおい!って思いました。
生贄にするな!友達なら引きこもらせてやれよ!!って思いました。
なんか、もうこれ高橋一生は星野源のこと自分の一部だと思ってるでしょ。だからもし駄目なら一緒に腹を切ろうとか爽やかに言っちゃうわけですよ。
於蘭ヒロインとの出会い 本で読んだ馬の知識
もうね、この映画のヒロインの於蘭さんはヒロインじゃなくてヒーローなんですよ。
代わりに星野源がヒロイン。野に咲く可憐な一輪の花。もうそんな感じ。
二人の出会いはなんか馬が前足でカッカッってしているのを「水が欲しいんだと思います(本で読んだんで!)」って感じでしたね。
ヒーローな於蘭さんはヒロインな星野源がお父さんのお墓を掃除して語りかけて謝ったりしてるのを見てほだされてくれます。
そして切腹寸前の星野源を馬を駆って助けに来てくれるわけです。まじヒーロー!
てか、切腹寸前になってるのって高橋一生が無理やり名前を出して引き釣りこんだせいなのに、せめて介錯をとか言い出してヤバイ。お前のせいだろ!!
於蘭さんがかっこよく登場してそのまま廊下を滑っていくのめっちゃ笑いました。この笑いのセンス好き。
唐突に出て来る引っ越し歌 野村萬斎なの!?
於蘭さんの協力のお陰でお父上の引っ越しの覚書を元にお引っ越しの準備が進みます。
いきなり出てきたお引っ越し歌に合わせて高橋一生以下お引っ越し部隊が踊りだした時には、ちょっとこれ大丈夫?ってなりました。
見ているうちになんかいい感じの歌と踊りに思えてくるのすごいなって思っていたら最後のテロップに流れる「野村萬斎」の文字にびっくりです。
野村萬斎なの!?
ってなりました。
借金するのは一件なのか?
ふらふらしながら分厚い書類を差し出して死んだように寝た人が出てきました。
藩中の商家を調べてまとめ上げたらしいんですけど、そこまで調べて借金を申し込むのって1件なの!?ってなりました。
細かくここで500両、そっちで300両って刻んでいった方が借りやすいし踏み倒しやすいように思うのですが、そうじゃないのね。
若い奥さんを褒める作戦に酔っ払った高橋一生が向いてないので押しとどめられてたのが面白かったです。ついでにそれでもやってきて星野源に秘孔を突かれていたのがもっと面白かったです(再びの本に書いてありました!知識)
「藩に貸したんじゃない、あの人に貸したんだ」って言っていた若旦那がよかったですね。
多分ちゃんと返してもらえたと思います。
時代劇のちょんまげ問題は深刻
見ていて思ったのは時代劇のちょんまげは問題だということです。
前髪がなくなるので、人の顔の判別がつきにくい私は誰が誰だかよくわからなくなるのです。
その点、主人公の星野源に前髪があったのはとてもよかったと思います。わかりやすい。
高橋一生にもはらりとかかる前髪があってわかりやすかったです。他はよくわからない!本当に誰がだれなのかよくわかりません!!
向井理がわからなくなるくらいちょんまげ問題は深刻です。
なんか裏切っていた家老もどれなのかよくわからなかったです。
音松可愛い
於蘭の息子の音松がそこかしこで可愛かったです。いい仕事してました。
夜寝かされてから痴話喧嘩みたいなのを聞かされて起こされて「大人はいつもずるい!」っていうの可愛かったですね。
その大人のずるさを反省して、子どもに残す借金をできるだけやめて荷物をできるだけ武士の自分達で運ぼう大作戦発動です。
無駄にいじられる高橋一生の乳首
人足を減らすために、めっちゃ鍛えて顔を隠して汚して武士が運ぶ大作戦が発表されました。
こんな感じに変装しますって例に出されて、無駄にいじられる高橋一生の乳首が見どころです。
あそこまでいじる必要あった!?
ここで荷物を運ぶために武士たちがめっちゃ身体を鍛えるのが伏線とは思いませんでしたわ。
断捨離は色々楽しい
荷物を減らせば運ぶ人を減らせるし、引越し費用が減らせます。
ってことで断捨離大作戦なわけですが、このパートがけっこう面白い。
さびさびの鉄瓶とかわかりやすいものは断捨離やりやすいですよね。
笑ったのは妾も捨ててくれとかのあたりですね。丘みどりが「鳰の湖」を朗々と歌い上げてました。
骨董美術品大好きな人に、布で隠して目録を作らせるところとかめっちゃ面白かったですね。
「大事なものなら覚えているはず」って言われて自分の蔵書を思い出してしまいました。目録作れる自信がないです。
それを思うとあの人はすごく頑張っていました。てか字が綺麗。あの映画に出てくる人みんな字が達筆でしたね。一人くらい字が下手な人が出てきても良いのでは?ってくらいみんな字が上手かったです。
骨董の皿は後にフリスビーにされていて笑いました。
しかし本は焼くな売れ!!!
この映画で私が一番つっこんだのはここです。ここだけは許せなかった。駄目です。これはダメだ。
焚書は駄目です。
てか、それまで不用品は売って金に変えていたのにどうして本を焼くの!?ダメだって。それはだめ!!!
本ですよ。売ろうよ。古本屋で次の出会いを待とうよって思いました。
こもって4日で全部覚えたっていうのは面白いけど4日じゃ覚えられないだろ!ってつっこみました。
あそこは面白さを優先してて駄目だった箇所です。本を焼くな!!!許せん。
リストラは武田方式で
15万石から7万石に減らされるのでどうしてもリストラしないといけません。
ここがつらいところです。どう頑張っても600人はリストラが必要。
家族がいるものを優先して、独身の人を対象にして星野源が一人ひとり説得していきます。
武田信玄が昔使った方法で、一旦百姓になってもらって、加増があれば家臣として復活してもらうっていう作戦なのですが、武士に百姓になれってかなり厳しい案件です。
そりゃあ刀を抜く人も出ますよね。ってことで隣で高橋一生が刀を持って護衛しています。
この時の高橋一生がむやみやたらと格好いい。好き。
最後の一人が、最初に出てきた書庫によく来ていた勉強家の人なんですよね。
勉強家で藩に尽くしてきた人望もある彼をどうしてリストラ対象にしたのか。
それは、そういう貴方だから600人をまとめるために必要だったと語る星野源。
山に登り、見下ろした場所を開墾してほしいとなんか農業の本を渡すわけです。
もうちょっと涙ぐんじゃいますね。
最初はひきこもりで人と話す時はどもっていたのに、この説得をする時の星野源の瞳の強さ、語る声の説得力になんだか泣きたくなりました。
リストラの後、於蘭さんに泣きつきに行くダメージ負った星野源がとてもつらそう。
引っ越し荷造り開始
借金も断捨離もリストラもなんとかすませて、引っ越し本番が始まります。まずは荷造りですね。
引っ越しの養生をちゃんとしているのを見て、竹を割ってたのはこれの準備だったんだーって思いました。引っ越しの養生が大切なのは今も昔も同じなんですね。家具を運び出す時ぶつけたら傷になりますもんね。
運び出される荷物、そして家宝。
家宝の御手杵のふわふわがでかいのに笑ってしまいました。鞘に存在感ありすぎ!
様子が変わった星野源を高橋一生が「こいつは純潔じゃなくなった」ってからかっております。
てか純潔ってどういう意味?そういう時に使うのは童貞じゃないの?
って疑問に思いました。時代考証の結果、あの時代に童貞って言葉はなかったんですかね。
ヒロインのプロポーズ格好いい
引っ越し開始はいいのですが、ヒロインの於蘭さんはお父さんが死亡しているのでもう藩とは関係なくなっていてこのままだとお引っ越しにはついてこれないわけです。
星野源は他の独身の人をリストラした手前、自分がこう幸せになっちゃうっていうか於蘭さんとよしなになって付いてきてって言いにくいんだけど調子に乗って言っちゃうわけですね。
それを聞き逃さずかぶりつく於蘭さんマジイケメン。この物語で一番格好いいのは於蘭さんじゃないですかね。
三つ指ついて可愛く可憐に「不束者ですがよろしくお願いします」って深々頭を下げる星野源が素敵でした。もうお前がヒロインだ!!!
引っ越し開始
めでたく於蘭さんと夫婦になって一緒にお引っ越し開始です。
お引っ越し歌と踊りが大爆発ですね。
見ていて思ったのは於蘭さんが馬に乗るより荷物乗せればいいのにってことでした。
どうせ歩く人に速度は合わせるわけなので馬には荷物乗せたほうが効率よくないですか?
お引っ越し中の猫が可愛くてよかったです。この猫、要所要所に出てきて可愛かったです。
隠密の襲撃
まあ、お引っ越しがすんなり行ってしまっては物語にならないわけで、隠密が襲ってきます。
ここでの一番の笑いどころは高橋一生でしょう。
もうね、待ってたんですよ、この人。襲撃を待ち焦がれていた。
めっちゃ喜ぶ高橋一生に笑いました。たすきがけして待ってた!素敵すぎます。
襲った方の災難っぷりに笑います。だって高橋一生はバーサーカーで待ち構えていたし、人足だと思ってたらめっちゃ鍛え上げられた武士なんですよ。罠です。
もうね、この一見人足だけどムッキムキになるまで荷物を運ぶために鍛えた武士たちが隠してあった刀やらそこらの棒で戦うの強すぎて笑います。棒でも強い。すごい。
襲われて逃げ惑う籠の中のミッチーがまた可愛くて良いですね。籠の中でおろおろしています。
それでいて状況把握能力と決断力に優れた殿なので、すぐさま御手杵解禁するのすごい。
だって家宝ですよ。ほいほい使用許可を出したりするの普通の人にはできません。ちゃんと今だ!ってのがわかっている。
使われるべき時にちゃんと使われる御手杵が素敵。
高橋一生がひゃっほう!!ってテンションアゲアゲになっていてすごいです。槍さばきすごい。あれって相当長くて重いだろうに楽々と振り回している。すごい。
最後の家老を追い詰める高橋一生の槍先からせまってくるの怖すぎて大好き。
あそこ大爆笑でした。あー笑った笑った!
バーサーカー高橋一生は一見の価値がありますね。すごい役者だ。
お国替え成功
隠密襲撃はあったけれど、乗り越えて、お引っ越しが完了します。
めっちゃ小さくて城というより陣屋って感じでしたけどこれからここがお家です。
手紙をいっぱい送るよ。忘れてないよってなるのにじんときます。
おかえりなさい!
そして、もっかいお国替えがあるけど加増はならず、けれどその次に加増で15万石復帰。
「これでやっと彼らを迎えに行ける!!!」ってなった星野源の喜び。
迎えに行った時に言われる、
「待つ苦労もあれば待たせる苦労もあろう」っていう台詞がとても良かったです。
ずっとずっと迎えに来たかったんですよ。
見せたいものがあると連れられて、山の上から見る美しい棚田に感動。15年という月日をかけて、彼らが切り開き作り上げた光景です。もうここで泣きます。
戻る者あり、残る者あり。この土地から離れらないものもいて、武士に復帰して戻るものもいて、それは各自の選択です。
武士に戻った者たちが久しぶりに着た袴でお城へ向かいます。
ここでミッチー殿が農作業で荒れた手を取ってねぎらってくれるの涙。
布から現れた石碑に刻まれた帰農中になくなった人の名前に涙。
あの土地に残ったものの刀もずらりと並べて、星野源が言います。
これで全員揃いました!
「おかえりなさい!」
もうね、泣きました。あんなにコメディで笑かしてくれたのに、最後は泣かすんかい!!って思いながら泣きました。よかったね。みんな揃ってよかったねってなりました。
いい映画でした!!!
引っ越し大名!いい映画でした!もっと評価されて欲しい。
「引っ越し大名!」めっちゃいい映画でした。笑って泣ける、見た後で気持ちよくすかってなる良い映画です。脚本がうまい。ダレることなくテンポよくエピソードを繋いでまとめ上げています。
もっと人気が出てもいい映画だと思います。すごい面白かった!!
高橋一生のバーサーカー最高!
星野源が可憐なヒロインで成長物語でとても良い。
ミッチーが魔性の殿で素敵すぎる。諸悪の権現だけど憎めない。
ヒロインが男前すぎてイケメンすぎる。
とてもおもしろい良い映画です。見て!ってなります。
ただ、
最後の石碑はとっても泣いたんですけど、これ次お引っ越しがあったら持っていくの? 重そうですね。
っていう疑問が残りました。だって置いていけないですよねぇ。
あと、どうしても「引っ越し大名」じゃなくて「引っ越し侍」って名前に間違えてしまってこの記事何回も打ち直しました。題名からするとこれ、星野源の物語じゃなくてミッチーの物語なんでしょうね。